学院長挨拶 小河 陽

「心のふるさと」としての学舎

学院長 小河 陽 私は関東学院に学んだことがなく、また教員歴も比較的短いものでしかありませんので、同窓会の皆様にどのようなご挨拶をすればよいのか戸惑いもいたしますが、自分自身の同窓会に関わる経験から、学院にとって同窓会が持つ意義について述べさせていただきます。人との出会いは学校卒業後にももちろんあるのですが、学校生活という人格形成揺籃期での友人達との出会いには特別なものがあります。

なぜなら、学校卒業後に出会う人々は、職場における同僚であるとか、あるいは趣味や関心を同じくする仲間というように、概ね同じような分野の同じような性質の人たちとの仲間付き合いになりがちですが、学校時代という、いまだ将来は未知の可能性でしかない者たちが集っていた時代においては、まさに多種多様で、時には異質とさえ言える人達との出会いの場となり、その意味では学校でなければ出会って関係を結ぶことのなかったような人達との仲間付き合いを体験させてくれます。それは歳と共に人間関係が狭められていくように思われる人生行路の中で、最も生き生きとした豊かな思い出として卒業生を結びつけている心のふるさとと呼んで良いものではないでしょうか。
しかも、同窓会は同期という横糸だけでなくて、先輩後輩という縦糸によっても、人と人とを結び合わせる絆となります。関東学院という共同体はそのような幾重にも重なった絆によって織り出されている、と思うのです。そして、そのようにしてつなぎ合わされた人々が織りなす共同体の中で、関東学院に学ぶ生徒は人として鍛錬され知恵と知識を得て成長していきます。その意味で、関東学院という学校で営まれる人間形成は同窓会との有形無形の繋がり無くしては成り立ちません。
「垂範」という言葉がありますが、在校生が「校訓」を虚言と受けとめるか、あるいは自らの人格形成の指針とするか、同窓会の存在と働きが決定的な影響力を持っていると私は思います。同じ学舎において抱かれる夢が、人から人へ、そして世代から世代へと受け継がれていくためには、有形無形の繋がりを作り出す同窓会の存在意義は大変大きいのです。皆様の後輩達への暖かい眼差しとご支援とを心よりお願いいたします。